奇をてらったラーメンが多すぎる! ラーメンの本質とはどこにある?
ラーメン業界は、どんどん色々な方面へと幅を広げています。
それはとても嬉しいことなのですが、どうでしょう。
幅が広すぎて本来のラーメンのあり方というのを忘れてはいないでしょうか。
すぐに廃れてしまう一発ネタを生み出すことに固執している傾向があるのではなかろうかと思わざるを得ません。
ラーメンがミシュラン入りしましたね
ラーメンが、つい最近ミシュラン入りしたことで話題になっていました。
ラーメン業界では初のことだそうですね。
これは驚くべきことではあるのですが、ラーメン好きからしたら疑問の声も挙がっているようです。
ミシュラン入りしたラーメン店は「蔦」巣鴨にあるお店ですね。
本店が蔦で、蔦の葉などのグループ店があります。
巣鴨からは撤退するということで、休業の話がありますね。
行列ができすぎて、苦情が入っていたようです。
この蔦というお店、「Japanese Soba Noodle蔦」というのが正式名称になっています。
「そ・・・そばヌードル?」と、ちょっと首を傾げたくなりますね。
まあ、欧米諸国で「ヌードル」というと、少しおしゃれな物になってしまうので「そば」と付けたのでしょう。
中華そばとも言うことですしね。
素材にはとてもこだわっているようです。
国産小麦100%の麺に、選び抜かれた具に醤油・・・。
チャーシューは鴨肉です。
そしてそして、なんと「トリュフ」が使われているという。
ネットでは「トリュフ使っとけばミシュラン入れる」ともいわれていますね。
このお店自体は、とても美味しいラーメンです。
トリュフという素材を抜きにしたら、もう少し良いかもしれませんね。
「トリュフが弱いほうが麺の味がしっかり感じられて良い」という声もあります。
ミシュランラーメン店主の経歴
なんとなんと、店主は最初はあまりラーメンが好きではなかったそうです。
5年ほど、父親が経営しているラーメン店で修行をしていたのだそう。
飲食店業界ではよくある話ですよね、親子で修行というのは。
でも、5年経って辞めてしまうんです。
それから、元々はアパレルに興味があったので、そちらへ転職しました。
バイヤーとして世界各国を飛び回る生活が待っていたわけですが、そこでさまざまな食文化に触れるんです。
そうして店主は思いました。
「世界各国の味を一杯のラーメンに」と。
やはり、ラーメン屋の息子、ラーメンのことを考えてしまうんですね。
そうして生まれたのがこの蔦のラーメンです。
なるほど、だからトリュフと鴨肉チャーシューなのか。
日本食・中華・イタリアン・フレンチの融合というわけですね。
奇をてらったラーメンが多いなあ・・・
どこか奇をてらったラーメンが多いですよね。
それでも蔦のラーメンはまだちゃんとしたラーメンであると言えるかもしれません。
お店は少し小奇麗ですが、女性でも入りやすいスタイルになっています。
食券システムという、最近よくあるシステムも導入。
なかなかに「面白い」ラーメンだと言えますね。
賛否両論あるようですが。
ラーメンもそうですが、経営スタイルもおかしなものが多くなっているように思います。
奇をてらったと言えば、こんなのも
奇をてらったラーメン・経営スタイルがおかしいラーメン屋と言えば、こんなのもありますね。
「空とぶラーメン屋台」
「世界初!? 空とぶラーメン登場!!!」
「なんじゃこれ~!?」
「ついに、ラーメンが空を飛ぶ時代が来たらしい・・・」
キャッチコピーを見てみても、よくわかりませんね。
この空飛ぶラーメン屋対は、2015年12月の中ごろオープンされました。
わかりやすくたとえるならば「回らない回転寿司」ですね。
空飛ぶラーメン屋台、驚くことにレーンが伸びています。
厨房から客席にまで伸びているレーンは、さながら回転寿司。
カウンターにはタブレット端末が設けられていて、そこに食券のQRコードを読み取らせます。
次に、麺の固さ・油の量などを選んで注文するわけです。
注文してからしばらくすると、カウンターのレーンをラーメンが自動トレイに乗って滑ってくる。
目の前で停止してくれるので、自分のラーメンだというのが明らかです。
うーん・・・。
「なんじゃこれ~!?」って、完全にこちらのセリフですよね。
決して空を飛ぶラーメンというわけではありませんが、客席の間のパーテーションが雲の形をしていたりと、空をイメージしたインテリアデザインにはなっています。
注文完了時には、トッピングが当たるゲームに参加できるなど遊び心が満載。
ラーメンである必要がまるでありません!
最初の食券、それさえ無くしてすべてをタブレット操作にしたらいいのに・・・。
ラーメンとは
ラーメンというのは、なんでしょう。
エンターテインメント性やおしゃれ感は必要でしょうか。
ラーメンが食べたいときって、どんなときなんですかね。
「おしゃれなものが食べたい」という気分なら、カフェレストランやイタリアンにでも行くでしょう。
エンターテインメントは話題性がありますが、完全に一発ネタです。
リピートする気には、なかなかなれませんね。
ラーメンを食べたいときというのは、ジャンクフードが食べたいときですよね。
脂こいものをたくさん食べたい・・・ジャンクフードが食べたいからこそ、ラーメンを食べに行くのです。
そういうニーズにこたえたラーメン屋が、細く長く続けていって、愛されているわけですね。
二郎なんかもデカ盛りすぎて最初は奇抜だと言われたりしていましたが、定着しています。
二郎系という言葉も生まれ、デカ盛りラーメンは一ジャンルを獲得しました。
奇抜であってもラーメンの本来の味・本来の需要を損なわない取り組みだったからこそ、定着したわけです。
そこのところを、ラーメン業界やラーメンを利用する業界には認知してほしいものですね。