新しいラーメン屋と古いラーメン屋
最近の話題のつけ麺もいいですが、昔ながらラーメン屋もいいと思う時はあるものです。それを昭和の風景といい段々と私達の日常生活から、のどかに懐かしい風景が消え去ってしまおうとしています。
そこそこのラーメンをだす
別にそのようなラーメン屋が美味しいと言う訳ではなくそこそこです。でもそこそこのラーメンで充分ではありませんか。大体ラーメンに最高級と言うのは嘘臭くて仕方がありません。最高級を求めるならラーメンでなく他のものを求めて行くべきです。ラーメンはそもそも庶民の食べ物です。そして昔から存在するラーメン屋なら、子供さんの頃からそのラーメン屋に通うと言うこともあり、人間関係・コミュニケーションもここで育まれ、そのようなことを大事にしているから、ラーメン屋に向かっていくのです。その時、味には人としての愛情も籠もっているので、このラーメン一品が一番素晴らしい味なのかもしれません。
昔ながらのラーメン屋の魅力
そして、ちゃちっぽい椅子、テーブルに懐かしさが存在しているのです。別に最近のラーメン屋が高級感を醸し出しているものの、実際に高級アイテムを使用している訳ではありませんし、ラーメン屋には不釣り合いです。高級という意味では、長く使い続けたものに対して本当は高級と名付けていいのかもしれません。
「お父さん、ラーメンひとつね、それからビールと、チャーハンも」本当にこんな気楽な感じでちょっともう引退した方がいいかなというラーメン屋のオヤジに注文することが出来ます。新しいラーメン屋なんて、何か厳つい目で、こちらをぎらりと見ているではありませんか。何か新しいラーメン屋はお客様商売というのを勘違いしているのではないでしょうか。天下を取ったような顔をして、従うものだけ食わしてやると言う感じです。食べ物を作っている身分でなんでそんなに威張る理由があるのでしょうか。
「すみません、申し訳ありませんが、水を一杯いただきたいのですが…」たかが水と言うのに、すみません、申し訳ありませんと二度謝らなければならないのです。もう一度言います。あなたがたはたかがラーメン屋を経営しているに過ぎないのです。
気楽さがいい
何か、古いラーメン屋に仕事でも終わった後行けば、我が家に帰ってきたようにリラックス感があります。しかし、新しいラーメン屋がどうかと言えば狭い!!コートを脱ぐ場所もありゃしない。汗たらたらで、ラーメンなんて食べていたら、湿疹が出来ちゃう…。そして、ラーメン屋のオヤジ、お前も狭いスペースでラーメンを作り汗タラタラで、ラーメンにもしたたり落ちているではないか。本当にラーメン屋でしっかりチェックをしなければならないのは、ラーメンを作っている人たちの汗です。このラーメンは美味しいラーメンと評判の理由も汗が美味しいエキスを作っているせいかも。
兎に角、古いラーメン屋は、それ程混むということはありません。若い人たちはやっぱりラーメンを食べると言う時、新しいラーメン屋、新しいラーメン屋に向かってしまう傾向があるようです。若い人たちは、鼻からこのようなラーメン屋を古いものと決めてかかって、捨て去ってしまっているのでしょう。味というものの中には、情報も含まれているらしいです。情報がないから、古いラーメン屋をはじめから受け付けないのです。
こんなラーメン屋へ行って来たよとと言っても、友だちとの話しの種にもなりゃあしないではありませんか。しかし、こっちこっちで、若い人たちがいないから、ガチャガチャしないで、古いラーメン屋がいいということになります。そして、古いラーメン屋に行けば、ビール大瓶が500円程度で出てくるケースが多いですし。なかなか居酒屋へ行っても最近ではビールの大瓶が出て来ないのです。世界で一番美しいフォルムは大瓶なのです。中瓶では全然駄目、判っていない。
とはいうものの世の中は、勝手に中瓶に変えてしまう流れがあり、値段は同じという矛盾です。大瓶と中瓶の量の差は一体どう解釈すればいいのでしょうか。そして、新しいラーメン屋に行けば、アルコールなし、グラスビール、回転率を高めるために合理的方法はと言えば、アルコール抜きと言うことになるようです。別にそんな寿司詰め状態のカウンターでアルコールなど飲みたくはありませんが。厳ついオヤジの顔。ながらビールなんて全然美味しくはありませんし。
マズイラーメンなんて作る方が難しい
別にマズイラーメンなんて作る方が難しいのです。本当にラーメンは、もっと素朴に自然体で食べさせてくれよと思っている人たちも多いです。おっと足下にゴキブリが…というのも古きラーメン屋ののどかさのひとつです。一匹程度は許してあげてください。と思えば二匹目も、あれはさっきの一匹でしょう。といいながら、いつの間にかまたまた古いラーメン屋が閉店してしまったのです。