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福岡県の地元っ子が選んだトンコツラーメン1位は親子三代が伝統を守る味


福岡県民はスープまで飲み干せる長浜ラーメンを支持

今や九州の郷土料理と言っても過言ではなく、その名を全国にはせているのが豚骨ラーメンです。
全国どこでも見かけることができるのですが、それぞれが地域にマッチしたようなアレンジがされているので、なかなか本場の味にたどり着くことは難しいのです。そこで今回、九州の象徴ともいうべき豚骨ラーメンの中でも、地元の人々が選ぶ名店をアンケートして実際に食べてみることにしました。

失敗作のスープがいまやロングセラー

数あるジャンルの中でも有名なのが博多ラーメンです。
第二次世界大戦中、博多の屋台で提供したのが豚骨スープのルーツのひとつと言われています。
当時は今のように白濁したスープではなく、豚骨ベースの透き通ったものだったようです。

長崎ちゃんぽんのスープを参考に様々な工夫が凝らされたそうですが、ある時、久留米の三九という店の創業者が誤ってスープを長時間、強火で沸騰させてしまったのだそうです。
すると、透明どころか白く濁ってしまって、明らかな失敗作ができました。
ところがこのスープ、お客さんに出してみると意外や意外、瞬く間に売れてしまって今や九州はおろか、全国にまで広がったのだそうです。
失敗の中から生まれた豚骨ラーメンですが、せっかく食べるなら地元の人たちのオススメNo.1に行ってみたいと思うのが正直なところです。

群雄割拠の福岡を制する店はどこだ?

早速街頭の道行く人たちに聞いてみました。
「コクのある赤、あっさりした白のどちらかからスープを選べるので、その日の気分にあわせられる一風堂はやはり外せません」「こちらの好みをオーダー用紙に記入してくれるので、好きな食べ方を気軽に注文できるんですよ」というように、全国展開をしている一蘭、一風堂といった有名店は誰もがその名をあげる傾向にありました。
たとえ本場の九州でも、全国で愛される味はおいしく、またシステム化されたサービスの評判は上々のようです。

ところがある程度、調査を進めた段階で形勢はガラリと変わります。
「博多ラーメンもいいけど、やっぱり豚骨ならすっきりとスープまで飲み干せる長浜ラーメンが好きかな」
「メニューで悩まなくていいので、時間のない時には特にありがたい」というサラリーマン風の人。
そして、「無駄にこってりしていないので私は一番好きです。女性でも飲みやすいスープが特にお気に入りです」という女性からの声も。逆転勝利を果たしたのは元祖長浜屋だったのです。
ちなみに、2位に入ったのは一風堂と一蘭、博多一幸舎という全国に名をはせた店でした。

この元祖長浜屋、創業は昭和27年ということです。替え玉発祥の店として、地元では知らない人はいないのだとか。
ちなみに、最近でこそ提供する店が増えてはいるものの、もともと博多ラーメンには替え玉はありません。
長浜ラーメンの人気にあやかっているというのが本当のところのようです。
また、もうひとつの特徴であるヤワやカタ、ナマといった麺の湯で加減に幅を持たせているのもこのお店です。
もはや豚骨ラーメンのルーツとも言うべきこの人気店に、早速行ってみることにしました。

店内は近年引っ越したこともあって、とても清潔感に溢れています。
これなら女性が来店しやすいことも頷けるというものです。
しかもメニューはラーメン1種類。選択の余地などどこにもありません。
訪れたのは昼時を過ぎた14時過ぎです。
実はこのお店、朝の4時から営業しているそうなのです。

何度も通いたくなる原点的な店

近くに市場があることもあって、休憩する間もないと言うことです。
ひっきりなしに入れ替わる客層は性別、年齢を問わず多種多様です。
それぞれがラーメンのチケットを買って、麺とスープの好みをオーダーしています。

チケットを購入し、ラーメンを注文することに・・。
元祖長浜屋では、麺の硬さは硬い方から順に「ナマ(バリカタに当たるもの)」「カタ」「ふつう」「ヤワ」の4段階となっています。
あっさりと女性に評判だったスープは、濃い方から順に「ベタ」「ふつう」「ナシ(脂を入れないということ)」の3段階に設定されています。
麺、スープともに好みを聞いてもらえるのが売りなのです。
リクエストの方法は至って簡単で、事前に購入した食券を店員に渡す際、「ベタナマ」「ナシカタ」などと言うだけです。麺の硬さもスープの濃さも「ふつう」でよければ、そのまま何も言わずに渡せばよいのです。
今回はオーソドックスな味を知りたいと思って、麺もスープも「ふつう」で頼みました。
出て来たラーメンを見ると、スープは白濁というより茶褐色です。
そこにストレートの麺が入って、青々としたネギがトッピングされています。
ゴマやトンコツラーメンに欠かせない紅ショウガは、好みで入れられる仕様となっています。
また、テーブルの上にはスープの味を調整できる醤油ベースの特製ダレが入ったやかんも用意されていて、こちらも好みで入れられるようになっています。
まずはスープを飲んでみると、見た目よりもあっさりしています。
なるほど、これなら女性でも無理なく飲めるでしょう。
ただし、麺は他店と比べてやや多めです。見た目では1.5倍程度の盛りに見えます。
いくらスープがあっさりでも、やっぱりガッツリ系なのか、と思いながら箸をつけます。
するとどうでしょう。あっさりしたスープが細い麺にほどよく絡み、豚骨ラーメン特有の重さを感じないのです。
豚骨だけで作ったスープからも、独特の匂いはせず、どんどん食が進みます。
これは替え玉を頼むしかあるまいと思えてきます。
しかし、注文するのはどのタイミングがいいかということです。
最初の麺が残っている時に頼んでも、替え玉が伸びてしまいそうだし・・。
ふと周囲を見回すと、その大半が替え玉を注文しています。
隣の男性にそっと聞いてみると「だいたい2/3くらい食べたら頼むといいよ」というアドバイスをもらいました。
今度は「ナマ」を頼むことにしました。替え玉は「ひとり鍋」に使うような鍋で提供されるのですが、注文すると程なく提供されるのがうれしいですね。



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