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伊丹十三監督タンポポ ラーメンを語る


もう懐かしい映画となってしまいましたが、今一度伊丹十三監督のラーメン映画「タンポポ」振り返ってみようではありませんか。正直に言えば、伊丹十三監督は、当初ラーメン映画を完成させるものの出来に満足していた訳ではありません。何かカメラマンをあまり好意的に思っていなかったとか。実際に、タンポポはそこそこヒットしたという感じではなかったでしょうか。

実際にお葬式という大ヒットの後の映画としては物足りない出来だったかもしれません。そして、タンポポの後、マルサの女が作られて大ヒット、まさにタンポポは、大ヒット映画の間に挟まれて、谷間という感じもしないではありません。

タンポポのなにが出来が悪かったのか

未だタンポポに登場するオムレツなど、昭和4年創業のたいめいけんで、タンポポオムライスとして歴史を残しておりますし、部分部分を切り取れば、知識人受けする映画だったのです。実際に、DVDなど登場して未だリピート率が高い映画と言えば、マルサの女でも、お葬式でもなく、タンポポなのかもしれません。

タンポポのキャスト

今一度タンポポのキャストも振り返ってみましょう。 監督が不満を言っていたカメラマンは田村正毅氏です。決して悪い撮影ではありません。竜馬暗殺 (1974) さらば愛しき大地 (1982)など名作を撮影しているカメラマンなのです。最近ではゲゲゲの女房 (2010)をも撮影しているようですが。お葬式では、 前田米造を起用し、
マルサの女でも前田米造氏に戻ります。マルサの女2 も、スウィートホームも、ミンボーの女 も、大病人 も彼です。 竜馬暗殺 (1974) さらば愛しき大地 (1982)を撮影し名カメラマンはカメラマンというものの、いわば、シーンとシーンを切り取るような伊丹映画とは水と油の存在なのかもしれません。しかし、水と油の存在だから、相乗的効果がいいように発揮されて行けばいいのです。しかし、伊丹映画は、流れを留め、そこに 田村正毅氏でも対処は出来なかったということです。そして、よくあるケースですが、カメラマンの好きにはさせてくれなかったと言うのも田村正毅氏の敗因かもしれません。

しかし、タンポポのキャスティングはまさに絶妙ではありませんか。このキャスティングは、伊丹監督しか出来ないキャスティングです。 渡辺謙、役所広司が山崎努のサイドをしっかり固めています。とは言うものの、役所広司が登場するのは別のストーリーですが。原泉、藤田敏八、柴田美保子、 ギリヤーク尼ヶ崎など、このバラエティー豊かなキャスティングは、伊丹監督しか出来ないです。

このラーメンウエスタンの評価

しかし、このラーメンウエスタンは、海外で評価されることになります。伊丹十三監督は、海外にも通用する監督と認められことになります。そして、 伊丹十三監督は、実際に海外進出のキッカケを得ることになります。ラーメンガール』(英: The Ramen Girl)という映画もあり、伊丹十三監督によるラーメン映画の『タンポポ』をオマージュのようです。「ラーメンの達人」はタンポポで主役を演じた山崎努です。

しかし、実際に海外で通用する監督と言われ、海外で映画を作成した訳ではありません。しかし、水面下には、いくつも具体的企画があり、結局お蔵入りとなってしまったようです。マルサの女は、タックスウーマンとして、シガニーウイバー主演で製作されるはずだったのです。

タンポポの何がいけないの?

映画のモデルとなったラーメン店は、東京荻窪の「佐久信」です。確かにラーメン映画として非常に、ラーメンを食べたくなる映画です。この映画を見れば、帰りにはラーメンを食べて帰った人たちも多くいるはずです。ラーメンというものが何かということを端的に表しているのもこの映画以外何もありません。そこにあるのは、現代風のこてこてのラーメンと言うことではなく、極々シンプルなラーメンです。本当にこてこてのラーメンを求めている人たちは反省して、タンポポを見ていただきたいです。

ラーメン・中華そばとはこのようなものであり、この線を越えるべきではないとと言っています。しかし、伊丹十三監督は、タンポポをもう一度撮り直したいとまで言っています。やっぱりカメラマンのせいでしょうか。いえ、そうではありません。別にカメラマンなんて、全然今回の映画において責任はないと思いますが。

何がこの映画の致命傷かと言えば、いろいろなストーリーが入り混じり、どのストーリーも魅力的であるゆえ、別のストーリーに感情が移ってしまえば、なかなかもう一度ラーメンに戻って来ないのです。結局、短編の強さがあり、短編のほうかインパクトを持ち、ラーメンのストーリーが段々と一番地味という感じになってしまうのです。他のストーリーは結末が判らないですが、ラーメンのストーリーならおおかた、成功して去っていくシェーンパターンと言うことも私達は知っている訳ですし。



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